犬の去勢・避妊手術の必要性と費用や手術の流れ

OSUWARI編集部

2016年8月23日 更新

犬の避妊・去勢手術(不妊手術)は、繁殖を防ぐためだけでなく、性ホルモンに関する病気の予防や遠吠えなどの問題行動を軽減するために行われます。避妊・去勢手術の費用、流れ、メリット、デメリットなど愛犬の不妊手術の前に確認しておきましょう。

犬の避妊・去勢手術をする目的

望まない出産を防ぐ

野良犬のいない日本ではあまりみないケースですが、室外で犬を飼っている場合、飼い主が気づかないうちに妊娠しているケースがあります。

子犬を作らせる予定のないのであれば、不妊手術をさせましょう。

問題行動の減少

不妊手術をしていない犬が発情期にはいると、性格が変わったと言われるくらい問題行動が増加します。

オスの問題行動

  • 遠吠え
  • マーキング
  • マウンティング
  • 攻撃的になる
  • いうことを聞かない
  • 脱走癖

メスの問題行動

  • 脱走癖
  • いうことを聞かない
  • 年2~3回の発情期は気分が不安定
  • 出血をする
  • 巣作りをする
  • 偽妊娠をする
  • 怒りっぽく噛みやすくなる

 特にオスは、メスの発情を感知すると、遠吠えやマウンティングが激しくなるだけでなく、脱走してメスのもとへ行こうとしたり、気性も荒くなり他のオス犬とケンカをする傾向になります。

また、オスメスどちらも気持ちが不安定になりストレスを抱えることも。そのストレスが原因で問題行動を起こすこともあります。

こういった問題行動は、飼い主との関係を悪くするだけでなく、周りの人や犬にも危害や迷惑に繋がる恐れがあります。不妊手術をすることで、問題行動を軽減させることも犬を飼う責任とも言えます。

 病気の予防

避妊・去勢手術をすることで、性ホルモンに関する病気の予防になります。

オスがかかる病気

精巣腫瘍

精巣にできる腫瘍。放っておくと肥大化していきます、高年齢犬になるにつれてリスクが高まるので、若い頃に去勢手術をすることで、発病を防げます。

前立腺肥大

前立腺が大きくなり、進行すると組織内に体液や血液が溜まってしまう症状。去勢していないオスの6~7歳以降に発症しやすい病気です。

メスがかかる病気

乳腺腫瘍

メスの500頭に1頭の割合で発病するとされる、乳腺にできる腫瘍。メス犬の全腫瘍のうち50%をしめ、悪性である割合が50%と非除に高い病気です。

幼少期の発情前に避妊手術をした場合、発症率は0.05%と低くなります。1回目の発情後で6~8%2回目以降は25%の割合で発症するといわれています。発情した回数が増えるほど症率が上がるので、早めの避妊手術をすることをおすすめします。

子宮蓄膿症

出産経験のない高齢のメスに見られる病気です。進入した細菌が子宮内で増殖し、膿がたまります。

通常、膣粘膜で細菌の侵入を防ぎますが、発情期になると卵巣からホルモンが分泌され、細菌感染の防御力が低下し、細菌が侵入してしまいます。避妊手術をすることで、この病気は予防できます。

 去勢・避妊手術に適した年齢と時期

不妊手術は若いうちに

基本的に若いことのほうが、施術後の回復が早く病気の予防に繋がります。

 オスの場合

オスの場合は、生殖能力が完成する前の生後6ヶ月を目安に行うのがベストといわれています。発情を知る前にオスの機能を除去することで、生殖に関する問題行動やストレスを起こさないからです。
一度発情をしてしまうと、マウンティングやマーキング、遠吠えなどしつけが難しいだけでなく、こういった行動を制限されるオスにも大きなストレスになります。

 メスの場合

メスの避妊手術の適正時期は、最初の発情期を迎える前、生後数ヵ月が一番いいとされています。この一番の理由は、発情を迎える前に避妊することで、乳腺腫瘍の発症率を激的に低下させるかたです。

 避妊を避ける時期

オスの場合、健康であれば去勢の時期は問いませんが、メスの場合は避けた方がいい時期があります。

それは、ヒートを迎えている時です。ヒートとは、犬の生理のことです。
ヒートを迎えると子宮につながる血管が太くなっているため、リスクが高まります。ヒートが終わり、無発情期に入ったら避妊手術を受けるようにしましょう。

 去勢・避妊手術の費用

犬の大きさ、入院する日数などによっても費用が大きく変わってきます。

 オスの去勢手術の費用目安:20,000円前後
メスの避妊手術の費用目安:30,000円前後

 オスは日帰りできますが、メスの場合入院する必要があるため、やや高めになります。

 去勢・避妊手術に保険はペット適用されません

 去勢・避妊手術は、健康体に施す施術で病気や怪我ではないため保険適用外になります。

 援助金が出る地域も

一部の市町村では、犬の去勢・避妊手術に対して補助金が出る地域があります。補助金の金額は各自治体によって異なりますが、2000円から1万円になります。
告知もしていない場合の多いので、一度問合わせてみてはどうでしょう。

不妊手術について

手術の予約

去勢・避妊手術を決めたら、1週間前から予約をとりましょう。
また、一度病院に行き、わんちゃんの状態を見ながら獣医師と相談してもいいでしょう。

 手術前

手術前日の夕方に餌を与えて以降は絶食します。ただし水は与えても結構です。獣医師から特別な指示がある場合はそれに従います。

 去勢手術

メリット

  • 前立腺、精巣や肛門周辺の腫瘍などの病気を予防できる
  • 性的な欲求不満から来るストレスから開放される。
  • 欲求不満が原因の問題行動も予防できる。
  • マーキング、マウンティング、攻撃性が軽減される。
  • ストレスと病気の軽減により、長生きにつながる。

 デメリット

  • 繁殖させられない。
  • 肥満や尿結石になる傾向がある

手術方法や時間

去勢手術方法 : 睾丸摘出
施術時間   : 30分程度
入院期間   : 日帰りも可能

睾丸摘出

手術は、全身麻酔をして行われます。
睾丸の中には精巣を精巣上体があり、この睾丸を摘出します。包皮と陰嚢の間の正中線の上の陰嚢の近くを1ヶ所だけ1~1.5センチほど切開し、この切開部分から両方の陰嚢を摘出します。

 避妊手術

メリット

  • 望まない妊娠を確実に避けることができる。
  • 性的な欲求不満から来るストレスから開放される。
  • 子宮や乳がんの予防になる。
  • ストレスと病気の軽減により、長生きにつながる。

デメリット

  • 繁殖させられない。
  • 肥満や尿結石になる傾向がある

手術方法や時間

去勢手術方法 : 卵巣摘出術または卵巣子宮摘出術
施術時間   : 1時間程度
入院期間   : 最短1~2日。最長でも1週間程度。

 卵巣摘出術

子宮は残して卵巣だけを摘出する避妊法です。
卵巣と子宮の両方を摘出する方法と比べ、効果も手術後の弊害も大差がないため、切開する部分がすくなく雌犬にかかる負担も少ない方法といえます。体力的に不安がある場合、こちらの施術が適応されます。

 卵巣子宮摘出術

一般的に行われている避妊手術です。
卵巣のみの摘出と比べて、摘出しなければならないものが多いために。切開する大きさも広くなり、血の出る量も多くなります。 

手術後

手術から7~10日後に動物病院に連れて行き抜糸してもらいます。抜糸後約1週間は入浴できません。
最近では、抜糸のないケースもあるので、獣医師に確認しておきましょう。

手術後の注意

肥満や尿結石に注意

避妊・去勢手術後はホルモンバランスが変化し、エネルギー消費量は減るのに食欲が増します。
そのため、肥満になりやすい傾向にあります。ドッグフードを肥満用に去勢・避妊用の食事に変えましょう。

 また、肥満の状態が続くと尿結石になる恐れがあります。尿結石になると痛みを伴うだけでなく、膀胱炎や尿毒症などの病気も併用している傾向があるので注意が必要です。

手術の傷あとに注意

去勢や避妊の手術を行ったあとの傷を舐めてしまうこともあります。傷を舐めると、細菌が入り化膿してしまうケースもあるので注意してください。

特に、メスは切開する割合が大きいので、舐めないようにエリザベルカラーなどを装着することをおすすめします。

手術後に、抗生物質や消毒薬を処方されると思います。傷口が化膿しないように必ずケアしてください。錠剤が上手く飲めないわんちゃんには、ウエットフードと一緒に与えたり工夫をして与えましょう。

 まとめ

犬の去勢・避妊手術する一番の理由は、ガンなどの病気の予防と性的ストレスの開放です。また、性ホルモンによる問題行動は飼い主のストレスにも繋がります。繁殖する予定のない場合は、去勢・避妊手術をしましょう。

年をとってからの手術は、体力的不安やストレスになるため、回復力の高い若いうちに去勢・避妊することをおすすめします。

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