目次
犬の問題行動は、犬が悪いのではなく飼い主さんが原因
無駄吠えをしたり、クッションや家具を壊したり、粗相をしてしまう愛犬に対して
「うちのバカ犬は!」
「なんで言う事きかないの!」
「ダメっていったでしょ!!」
と愛犬に問題があると思っている飼い主さんがいますが、問題があるのは環境やしっかりしつけができていないからです。
きついことを言いますが、つまりは飼い主さんが問題なのです。
「物音がしたら吠える」のは警戒心から家族を守っているつもり、「家具などをかじる」のはストレスや寂しい気持ちを解消するためですし、「甘噛み」は飼い主に甘えているだけなのです。
人間にとっては問題行動でも、犬にとっては自然な行動なのです。だからといって人間が我慢しろと言っているわけではありません。
幸い犬は、何がいいことで、悪いことなのか学習することができます。その行動が出ないように導いてあげるのが私たち飼い主です。
では、どうすれば私たちの指示に従ってくれるでしょうか?
それは、アナタが愛犬のリーダーになればいいのです。
飼い主の言う事を聞かない場合、ほとんどの犬が飼い主を下にみています。犬は群れで生活する動物。群れにはリーダーが存在し、他の犬はリーダーに従うものなのです。
あなたの犬は今、自分がリーダーだと思っているので、他の人の言うことは聞いてくれません。
そのため、あなたがリーダーとなって「良い悪い」のルールを教える必要があります。大切なのは、愛犬との関係を築くこと。犬が「喜んで指示に従いたい!!」と思えるような素敵な関係を築くことです!
まずは「かわいそう」という気持ちを捨てること!
犬との主従関係が築けていない飼い主さんに限っていう言葉があります。それは「かわいそう」。
ケージに入れとくのはかわいそう
お腹が空いてかわいそうだからおやつをあげよう
無視をしたり、大きな音でしつけるなんてかわいそう
あなたは、そんなことを思って愛犬を甘やかしていませんか?
こうやって甘やかすことで、犬が自分こそ家のリーダーと思い込んでいのです。
人間も同じで、自分が一番前に立って率いていくことは大変なことです。犬は、自分がリーダーになることで「自分が群れを守らなくては!」「物音がしたぞ!敵か!!」と常に警戒したり、「ご飯はまだか!」「ケージから出せ!!」と常に怒ってイライラした状態になっています。これでは、飼い主さんでけでなく犬も疲れてしまいます。
しつけができないだけでなく、犬にとってもストレスになっています。しつけをするより、そっちのほうがよっぽど「かわいそう」なんです。
また、犬には指示に従って褒めてもらうことに喜ぶ習性があります。人も「この人になら付いて行きたい!」と思うことがありますよね? そう思っている人に対して「かわいそう」と思いますか? 多くの人が、「そんな風に思える相手に出会えて幸せだね!」と思うのではないでしょうか。
同じように、犬が人に従うのはかわいそうなことではなく、お互いが信頼しあった素敵な関係だということなのです。
まずは、しつけに対する考え方を変えていきましょう。
主従関係更生カリキュラム
では具体的に、犬にアナタがリーダーだと認識させる方法をご紹介します。
カリキュラム① ハウストレーニング
ハウス(ケージ、サークル、クレートなど)を決まった場所に置き、愛犬が安心できる場所を作ります。
留守番や夜寝るときにはハウスに入れて扉を閉めること。できれば、それに1日1回60分程度ハウスに入れておく時間を作っておきましょう。
ハウスに入れているときは、目を合わせてはいけない、話しかけてもいけません。
60分経っても騒いでいたら出してあげません。
静かにしていたら、出してあげましょう。それ以上の時間はハウスの扉を開け、自由に出入りさせます。
カリキュラム② テリトリーを制限する
犬が自由に移動できる部屋を1~2部屋に制限してください。柵などを利用して出入りができないようにします。
とくにキッチン、寝室、和室、廊下、玄関にはいけないようにしましょう。
テリトリーを制限するし、それを守らせることで、飼い主さんが決定権を持っていることを犬に伝えます。
カリキュラム③ 高いところに乗せない
ソファ、椅子、テーブルなど特別な席や高いところには乗せないようにします。乗ったら首輪をつかんで降りるように促します。抱いて降ろすのはNGです。
動物にとって「高さ」とは大事な意味があります。人や物を見下ろすことで、自分が偉くなったと勘違いをしてしまうのです。
カリキュラム④ 要求に応えない
「抱っこして」「遊んで」「ご飯食べたい」と、犬が何かを要求してきたとき断ってください。何かをするときは、必ず飼い主さんのタイミングで行うことです。
例えば、「遊ぼうよ!」と自らよってきたら遊ばずに無視してください。そのあとで、飼い主さんから「遊ぼう!」と誘って遊んでください。
すべての行動は飼い主さんがリードし決定権があることを教えます。ただし、決定権があるからといって、へんに威張らないでくさいね。犬もバカにされたり、威張られては、飼い主についていこうと思えません。あくまでも、軽やかに振る舞う感じで!!
カリキュラム⑤ ほめる・しかる
褒めるときは、テンションと声を高めにしましょう。ただただ褒めるのではなく、声を高くするのがポイントです!!
犬は、声のトーンで怒っているのか褒められているのか分けるので、かならず高い声で褒めてあげましょう。
反対に、叱るときは低い声でしかります。「NO」「ダメ」「こら」など短く低く言うのがポイントです。
一度叱っても止めない場合は、速やかにハウスにいれて、しばらく無視しましょう。
カリキュラム⑥ おもちゃの管理
犬のおもちゃは、バスケットなどに入れて犬の届かない場所で保管します。遊ぶときは、飼い主から誘って遊ぶためです。そのかわり、必ず遊んであげてくださいね。
カリキュラム⑦ 「ラブラブ」と「無視」メリハリ
かまってあげる時間と無視する時間をつくって、メリハリをつけましょう。
遊ぶときはしっかり遊ぶ、逆に無視するときは話しかけたり、目もあわせないようにします。
カリキュラム⑧ 散歩をリードする
散歩は、運動だけでなくストレス発散の意味もあります。しかし、犬がリードするのではく、飼い主に犬がペースを合わせるようにします。
散歩のしつけ方はこちらを参考にしてください。
犬の散歩の仕方。時間、持ち物、しつけ方
カリキュラム⑨ いってきます、ただいまは言わない
愛犬に「行ってくるね、いい子にしてるんだよ~」などの声かけはNG!
出かける15~30分前から無視します。
また、帰宅時はすぐにかまわないで放っておきましょう。犬が落ち着いてきたら、ハウスから出してあげましょう。
この外出時の声かけは、主従関係だけでなく分離不安にさせてしまいます。
帰ってきて大好きな愛犬と遊びたいのはわかりますが、ここはぐっと我慢してください。
カリキュラム⑩ 安心させてあげられる存在になること
ただし、リーダーだからと犬に対して威張ってはダメです。力や恐怖で押さえつけたりは、けっしてしないでください。
安心できる、頼れる、信頼できる飼い主になることです。
犬と向き合うときは、落ち着いた権威ある態度で接することです。犬は飼い主の表情や行動から、精神状態を感じ取れるものです。
飼い主が緊張をしていたら、犬も気を張り詰めますし、怖いと思ったら犬も不安になるのです。
アナタがリーダーなのですから、堂々と振る舞うことが大切です。